----- Original Message ----- Sent: Friday, August 25, 2000 1:25 PM Subject: [club 18] RE: オープンネットはなぜ安い(1) 山中さん、こんにちは。 > これを業界用語では「設計施工」といいます。たぶん99%の住宅は > こうしてつくられているはずです。 当社でもそうなっています。確認申請費用だけ20万程度もらいます。 >建築主は自分の建物のために 臨時の工務店(架空の)をつくり、 >自分が社長におさまったと思えばよいでしょう。 なるほど、施主が工務店の社長となるわけだ。 設計の委託、管理の委託、各工事の発注、資金の借入、代金の 支払い、工事の保険、家の10年保証、メンテナンス、全部自分で やるということですよね。 >そこで、有能な技術者として建築家を臨時に雇った。 > これがオープンシステムのイメージに近いのではないでしょうか。 昔の家だと、直営といって、大工と左官などを自分で頼み、人手も 親戚集めて、上棟したり、壁の竹編みや土壁塗りなどもみんなで 共同作業で行ったんですよね。まさにオープンだった。 でも、今は住宅も複雑だから、専門家を入れないと難しいですね。 そこで、大工がいろんな事も請け負うようになってきて、工務店と して発達してきたのです。さらにハウスメーカーなども出てきました。 いま、新しい流れで設計事務所が、工事まで含めて施主の サポートをするということが始まった訳ですね。 > 「せめて設計図ができて、工事金額がはっきりしてから契約したい」 > と言いたくなります。その気持ちも分からなくはありません。 当社では、図面も工事金額もはっきりしてから、契約です。 設計図ができる前に契約ができれば、そんなうれしいことは ありません。契約前に図面を10回以上書き直してプラン提案 する事はざらなのです。ものすごい労力で、契約できない事も あり、すごい損失です。 > ハウスメーカーや工務店に頼むと、設計や工事の見積りをサービスで > 行なってくれます。だけどサービスで行なうことができるのは、 > 後に控えている工事でいくらでも挽回できるからということは > わかるでしょう。 それが、いくらでも挽回できないから、大変なのです。 価格競争で、受注金額が落ち、営業でかけた経費が回収でき ません。無料で何社も図面や見積もりを出すことは全くの無駄 と思います。 ひどいときは、同じ敷地を何社も敷地調査したり、地盤調査を したり、全く無駄な事をしています。お客様の家へ行くと、 いろんなメーカーのカタログが山のようにあり、模型も何個か 転がっています。そんな無駄な営業経費をかけてしまっている ので、建築コストをアップさせてしまっています。 > そこで工事の明細を水増しして利益を捻出することになります。 「水増しして」と言われればそうですが、仕入れて売るのだから、 そこで利幅を得る事は別に問題がないと思います。 あらゆる商売で必要な利益を乗せることは、当たり前ではない のでしょうか。商品や工事に対して責任を持っているのですし。 利益がないと、営業経費や現場管理経費、設計費、一般管理費 など、他の項目に分散しないと、経営が成り立ちませんよね。 > だから一括で請負う方式の場合は、スタート時点から「不透明さ」 > を内包しています。これは日本の建築方式に始めから組みこまれ > ている遺伝子のようなものではないでしょうか。 住宅全体で完成された一つの商品と考えれば、自動車なども エンジンいくら、シャーシいくら、ガラスいくらと分かれておらず、 全部でいくらとしか表示されないのですから、不透明と思って いる人も少ないのではないでしょうか。 また、昔は直営方式でしたので、一括請負は戦後のスタイルでは ないのでしょうか。 > 変化しないかぎり、建築建築主に情報をオープンにすることは > できないのが今の建築業界の苦悩ではないでしょうか。 会社の決算書や社長や社員の給与までオープンにされた所では かないません。確かに今は工事原価は秘密です。いろんなリスクも あり、工事原価も変動しますのでそれを回避する利益も必要です。 工事原価をオープンにするのには、社内でも相当な抵抗があります。 > ことができても、オープンシステムの業務に必要な費用を提示されると、 > どうしても受け入れることができない人もいます。サービスで > やってもらうほうが得だと、体が反応してしまうのです。 工務店が行っている業務って大変でしょう。それを費用に換算して 金額提示したら、なかなか認めてくれないでしょうね。 ですから、工事費に利益を乗せて見積もりをだす慣習なのでしょうね。 > これは現在のオープンシステムが苦労していることですが、 > これを乗り越えなければ、いつまで経っても本当の意味で建築主 > は自分の建物に参加できないと思うからです。 やはり苦労しておられますか。 自分の建物に参加するという概念が、まだまだ未熟かもしれません。 メーカー住宅に毒されて、家を買うという感覚になってきています。 車を買うのと同じ感覚ですね。オプションは、これとこれって感じ。 > ただ、建築主もいろいろな考え方があっても良いと思うので、 > 面倒くさいから、お金だけは用意するのであとはできあがった > 結果だけを受け取れば良い、という人は従来型の一括請負いの > ほうが適しているかと思います。 いろんな建築の仕方があってもいいですよね。 メーカー住宅方式、工務店方式、オープンシステム、いろいろ あって、比較検討もできるので、いいのでしょう。 思いつくままいろいと書いて、失礼しました。 私もオープンシステムをさらに研究していきたいと思います。 よろしくおねがいします。