----- Original Message ----- Sent: Wednesday, February 07, 2001 11:10 AM Subject: [club 238] Re: オープンシステムの発注方式について オープンシステムのシーラカンス 山本一清。です 材料費と人件費について わが国の、ゼネコンによる一括請負の大きな問題点は、 原価に経費を上乗せする工事金額の出し方にあります。 つまり、見積金額 = 原価 X 経費 となっていることです。 さらにわかりにくくしているケースは 見積金額一式 = (材料費原価 + 人件費原価) X 経費 いずれにせよ原価に経費を掛けて売価とするのは流通業の考え方で、生産業の考え方ではありません。 生産業としては あくまでも見積金額 = 原価 であり、以下の図式になるはずです。 材料費  ○○○円・・・原価 加工費  ×××円・・・原価 経 費   **円 合 計 △△△△円 次に分割の考えですが、工事の内容をどのように分割するかが問題ではありません。 前述の通りの工事金額が出されるなら、一括請負でも構いません。 分離・分割と一括請負との違いは、工事によって生じる様々なリスクを 発注者と請負人がどのように分担するかの違いです。 一括請負は工事に関するあらゆるリスクを負います。 発注者が負うリスクは請負業者が倒産しないかどうかと、信頼に応えてくれるかどうかです。 そこでオープンシステムですが、工事の内容を分割するのは、 今のわが国の建築システムではこうするより他に、 明確なコスト・マネジメントをすることができないからです。 従って、分離・分割の方法についてはケースバイケースです。 細かくすればいいと言うものではないし、一括請負と変わらないのであれば意味をなしません。 コストと効率のバランスから決めているのが実態です。 最後に、オープンシステムから見た望ましい各業態の考え方について私見を述べます。 ○建材メーカー オープンシステムではOEMを積極的に開拓し開発しておりますがております。 これは、わが国の建材の物流ルートが複雑多岐で、これがコストを高くしている要因と見ています。 そこで建材メーカーに望むことは、代理店への依存度をもっと軽減していくべき、と考えます。 ○建材代理店 代理店の機能は、多くのメーカーと製品の情報、在庫・納期の情報、製品の機能に関する 情報などがあり、設計事務所としても欠くことのできない情報源であります。 そういった機能を生かすことでオープンシステムに欠くことのできない存在になることも 可能だと思います。 また、ロットがそろわないと売らない、ばら売りはしないなどの不便さを克服して欲しい。 ○工事業者 材工の方が儲かるという考えは捨てた方がいい。 あるいは材工でなければ沽券にかかわるという変な気負いも。 材工だと、倉庫はいるは、運ぶ車はいるは、見えないコスト高になっていないか。 建材メーカーや代理店が、「この建材を何ケース買ってくれたら生ビール缶1ケース進呈」と いうキャンペーンをやっていたこともあったが、今はそんな時代ではないのでは。  =============================== reno@po.sphere.ne.jp TEL:06-6762-0010/FAX06-6766-2139 ♪♪(株)フリーダム・リノ♪♪ ○○○○○ 山本一清。 ○○○○○ ━━━━━━━━━━━━━━━━  ----- Original Message ----- > オープンシステムに共感している、現在建材会社勤務の会社員です。 > > 基本的な考え方にローコストで高品質な建物を施主の要望に従い建設するシステムを > 建築設計者サイドで障害を排除して構築されたものであると思います。 > > しかし、ここで疑問があります。 > > 工事については、専門工事会社に分離発注され建築資材については、オープンネットKK > に発注されるシステムですが、どこまでの資材を分離するのかです。 > > たとえば工事業者で手配すべき資材の範囲として、釘一本からセメント一袋まで支給されて > 分離するのか? それが合理的な事なのか? 発注するにしても流通の中でメーカーと > 建材店の役目は・・・との思いがあり、どう関わっていけばと思っています。 > > 極端ですが、材工の考え方が拡大してゼネコンに発展してきたように思われます。 > > 工事業者は、本当に手間だけを商売にしていくのか? 成り立つのか? などと・・・ > 実際は、トータル的に手間とかコストを考えて安く出来る線を設計者で決められると思いますが > 設計者の工数にも制限があり、実務の中でどのように線引きするのかが問題です。 > どう整理すべきでしょうか。 この件について意見を頂きたいと思います。 > > 清田 豊