コラム/建築革命宣言!
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第6回

「分断から融合へ」〜その4 山中省吾 1999.06.15

建築補償制度
建築中及び完成後10年間の補償制度を確立しました。これは大手損害保険会社の協力のもとにできたものです。工事中の事故や盗難などの賠償は従来からありましたが、オープンシステムに対応した内容となっています。例えば屋根工事の人が過って工具を落としてしまい、下にいた大工さんにけがをさせた。この場合は従来からある保険だと、第三者扱いとはなりません。当事者間の事故という扱いです。ところがオープンシステム(タイプ1の分離発注型)の場合は第三者扱いとはなり、保証の対象となります。このほかに、完成後10年間の瑕疵担保補償、PL法、工事期間中に限定ですが、水害、土砂災害に対する補償も含まれています。

メーカーとしての機能
OEM商品 OEMとは相手先供給ブランドのことです。つまり、自分の会社の工場では作らないで、ほかの会社の工場に全てを作ってもらい、自分のブランドで販売する商品です。私たちの生活の身近なところでは、スーパーのダイエーが売っている牛乳、ジュース、洗剤などもそうです。私たちの「ギョウカイ」にもこのような建材は案外たくさんあります。まるごと全部作らせる場合もあるし、部材だけ作らせて組み立ては自社でという場合も、仕上げ部分のフィニッシュだけ自分のところでという場合もあります。オープンネット鰍ヘこのようなメーカー的な機能を持ち、OEMの供給を受けて、それを直接お客様に販売しています。しかも、ホームページの正会員のコーナーで、見積もり、注文まで出来るような仕組みを作っています。現在扱っている商品は、ユニットバス、床材、床暖房、近い内に扱う予定として、システムキッチン、洗面化粧台、収納家具、外壁材があります。今後は実現可能なものから少しづつアイテムを広げていきます。そうなると、材料はお客様が直接購入し、それを専門工事会社に支給して、工事を行うということがおきてきます。材工一式という施工から、材工分離という施工も必要になってきます。

情報の共有化
オープンシステムは新しい考え方の新しいシステムですから、ゼロから新たに業務を始めようとする事務所は大変な労力を要します。そこで、経験の積み上げによらなければ確立することが出来ない部分はあるにせよ、かなりの部分は情報の共有化によって補うことも可能です。どんな書類を使えばよいか、見積もりはどこに依頼すればよいか、適正な金額はいくらか、工事現場の管理は…。戸惑いはたくさんあります。このようなことに対して、実際に体験を積んできた人や詳しい人の情報を、オープンシステムの建築士が共有しているのです。例えば、各地で完成したオープンシステムによる建築が、事例として正会員のコーナーにストックされ、いつでも書類、単価、工程管理などの情報を閲覧することが可能です。また、正会員はメーリングリストに参加していて、そこに問題を投げ込むと、解決方法を知っている誰かが答えてきます。メーリングリストには正会員のほかに、弁護士、会計士、税理士、金融の専門家も参加しています。建築に関するあらゆる問題は、メーリングリストで回答が可能というところまで持っていきたいと思っています。

分断から融合へ
「お客様の前では余計なことは言うな」お客様と専門工事会社の分断です。 「技術やノウハウは他社に教えられるものか」同業者間の分断です。 「原価など公表できるものか」工務店とお客様の分断です。 「今回は泣いてくれ」元請と下請の分断です。 この「ギョウカイ」は「あらゆる分断」の上に成り立ってきました。 分断は自己のみの利益です。一時の繁栄はあっても、まわりに不幸をもたらします。 分断から融合へ。融合は他者(全体)の利益を追求します。周りをハッピーにします。これがオープンシステムの最大のテーマです。

「分断から融合へ」〜終わり --------------------------------------------------------------------------------
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