日刊木材新聞
border

「価格の見える家づくり」

 「価格の見える家づくり〜家づくりの不満を解消していったらオープンシステムになった」(山中省吾著、コスモ・リバティ社)が発行された。
 オープンネット代表の山中省吾氏が設計士としての仕事のあり方などについて考えるなかで、レストランの改装工事で工期的に間に合わないことから、工務店を介さず直接、専門工事業者へ発注、自らが現場監理を行うことで、予定の工期に間に合い、工事費用も当初の見積もりから2割近くのコストダウンができたことを契機に、オープンシステムという新しい建築発注システムを構築してきた経緯がまとめられている。
 建築の発注形態を見直し、元請工務店と下請業者という関係から、施主が直接、専門工事業者に発注、設計士が監理していく新しい形態を構築していくなかで、設計士本来の仕事のあり方、社会的意義を発見していく様子が分かる。設計士、建築家の役割とは、「建築物という作品をつくることではなく、建築の仕組みづくりを行うこと」という建築家の言葉があるが、真に新しい設計士、建築家のあり方を示す書といえそうだ。
 A5判、208ページ、本体1,500円。発行はコスモ・リバティ社(電話 03−3368−7111)まで。
 
border
  
mailto:staff@open-net.co.jp