オープンネットニュース
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オープンネット(株)が『林政ニュース』で紹介 2000.10.11
掲載記事内容

◆情報の公開・共有化で連携強化、既存流通を変革
 「工務店や住宅メーカーを介さない『顧客主導の家づくり』」をテーマに掲げている「オープンネット」は、設計事務所約百社が参加して、実際の住宅建築までサポートしている。見積りや発注先などあらゆる情報を公開する「オープンシステム」をベースに、工事の分離発注や業者間の競争を進めて、施主が最大のメリットを享受できる住まいづくりを目指している。インターネットではホームページのほか、営業戦略、品質管理などのテーマや地域毎に設定された十四のメーリングリスト(リスト登録者が他のメンバー全員にメールを同時配信できるシステム)を駆使して、設計ノウハウや情報の共有化を図り、連携を強化している。
 オープンネットは、鳥取県米子市の設計事務所代表、山中省吾氏の呼びかけで発足。本格稼動に向けて一昨年九月に法人化し、オープンネット(株)(銀行系投資会社など投資家出資によるベンチャー企業)が設立された。同社の社長を務める山中氏に話を訊いた。

IT利用の最大のメリットは何ですか?
 山中 「建築業界には個々の設計事務所では乗りこえられない壁、古い慣習があります。とくに、流通の仕組みを改革するには、ノウハウや情報を共有化し、整理分析して発展させる必要があります。ITでそれが可能になりました。オープンシステムでは、建材の選択やコーディネート、専門工事会社の手配など、あらゆる段階でコストダウンを追求できます。施工会社は元請・下請といった既存の枠にとらわれずに見積りに自由に参加できますが、その代わり価格と実績で勝ち残らなければならない。馴れ合いが排除され、競争原理が働くようになります。オープンにすることで、自社の中にあるムダを見つめ直し、技術力を磨くことにもつながるのです。」

施工・資材供給業者との連携については?
 山中 「オープンシステムの趣旨に賛同してくれる業者を募って「業者バンク」を設立します。加入業者には、設計事務所が持っている物件情報などをホームページや電子メール、Iモードを使ってリアルタイムで配信します。FAXでもフォローします」

既存の流通ルートとの軋轢は出ませんか?
 山中 「今すぐ、すべてをオープンにすると問題が起きる事情はわかります。しかし、水面下では流通革命が着実に進んでいるのです。オープンネットには“地下室”(パスワードで保護された会員企業と施主だけが閲覧できるホームページ)が設定されていて、建材・施工の流れや発注原価などを詳細に公開しています。川上の人たちは、何とかしなければと口では言いながら、従来の流れを大きく変えるような新しい動きには乗ってこようとしない。小手先ではなく、既存の仕組みにとらわれない変革が必要だと思います」
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