オープンシステム参考資料
14.オープンシステムの流れ
オープンシステムは2つのタイプに分けられる。 タイプ1は、発注者と各業種毎の専門工事会社が直接工事請負契約を結び、工事を完成させる。元請会社不要、完全分離発注方式である。
タイプ2は発注者と総合建設会社が工事請負契約を交わして、工事を完成させる。元請会社活用方式である。
それでは、オープンシステムの全体の流れを簡単に説明する。
 1) 業務に対する報酬額を決定し、建築士業務委託契約を交わす。
 2) 設計コンセプトを検討し、文章でまとめる。
 3) 基本設計を検討し、配置、平面、立面の計画案を作成。
 4) 模型を作って基本設計を再検討。
 5) 実施設計、積算、工事工程表を作成。
 6) 入札または見積徴収。
 7) VE提案、価格折衝。
 8) 施工会社及び価格を決定し、工事請負契約を交わす。
 9) 工事監理及び工程管理。
10) 完成検査。
タイプ1方式は総合建設会社が介在していないので、設計者が工事の工程を組んで、それぞれの専門工事会社と連携を取りながら、工事を進めていく。このタイプ1方式は住宅等の小規模な建物を中心に、97年8月現在で約60件受託した。
タイプ2は総合建設会社も専門工事会社も、共に入札または見積もりに参加する。総合建設会社はあらかじめ用意した工事内訳明細書の項目に従って、工事全体の見積書を提出する。ただし、各項目毎に専門工事会社の見積もりと比較され、金額が高ければ入れ替えられる。つまり、総合建設会社が下請けとして外注に出す予定の専門工事会社に代わって、業種毎に参加した専門工事会社が採用される。したがって、総合建設会社は見積書の提出にあたって、いままでのように各項目の中に、経費及び利益を隠して提出すると、競争に勝ち残ることが難しくなる。
このようにして、各専門工事会社に支払う金額(直接工事費)を明確にしたうえで、総合建設会社には工事を完成させるために必要な経費及び利益を上乗せした金額で、工事請負契約を交わす。タイプ2方式では、鉄骨造の店舗、第三セクターが発注した集会施設の2件が完成している。
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