Documents オープンシステムの家づくり〜「F邸の完成するまで」
   Chapter:1 コンタクト
    fig_1 ある電話から・・・ 1999.07.19
1999年5月のある日、鳥取県米子市にある(有)山中設計の山中社長宛に一本の電話が入りました。電話の主は赤碕町にある自動車整備工場の社長です。
「うちの従業員で家を建てたいのがいるのだが、一度オープンシステムの説明をしてくれないか?」
というものでした。日程の調整を行って、「じゃあ、5月23日にお伺いしましょう。」ということになりました。

SONYのVAIOノート どこでもプレゼン当日、社内で簡単な準備を行い赤碕町へ向かいました。最近では「コンピュータ+液晶プロジェクタ+プレゼンテーションソフト」の3点セットを担いで日本全国津々浦々奔走しているのため、準備は手慣れたものです。

現地へ到着すると他に興味があると言う人も含めて7〜8人が参加していただきました。事務室にあるホワイトボードで即席のスクリーンを作ると早速説明に入ります。
説明は「オープンシステムとは何か?」というところから始まって、建築補償制度などの説明も入ります。プレゼンテーションソフトを使えば、説明の順序などに気をとらわれずに、あらかじめ作っておいた順序で勝手に進行するので、説明する側もらくちんです。聞いている人と対話しながら説明しても漏れ無く説明でき、そのままインターネットに繋いで説明の補足も簡単です。良い時代になりました。

説明が終わると、皆さん大変感激されたようで、営業に来たのになぜかお礼まで言っていただけたようです。家を検討されているご本人も「個性のあるオリジナルの家」という部分で大変気に入られたようです。建築補償制度についても、
「大手損保会社がタイアップするくらいだから、オープンシステムに将来性があると踏んだ訳だな
などと、こちらが考えてもいなかった感想も飛び出しました。既にハウスメーカーに声をかけておられたので、「よっしゃ。明日断ってくる。」とすぐに結論を出されようとするのを「ご家族とよく話し合って・・・」と、こちらが逆になだめると言う、ちょっと変な風景でした。

次の日の朝、早速電話があり、家族の了解も取り得たので山中設計にお願いしたいとのことでした。

家を建てようと具体的に考え始めたとき、まず頭に浮かぶのが予算。「設計事務所に頼むと高いし贅沢だ。」と直感的に思ってしまうようです。いや、それ以前に「設計士に頼む」という選択肢がある事が、やはり一般的ではありません。オープンシステムと言う合理的な方法があっても、それに気づかない人が沢山いて、値段がよくわからない既製品にしぶしぶ大金を支払っています。やはり山中社長には、まだまだ奔走してもらわなければならないようです。